持続可能な社会 sustainable society 2005 4 5
「持続可能な社会」を建設しなければならない。
この意見に対し、多くの人が賛成するでしょう。
しかし、賛成しても、行動が伴わないでしょう。
せっかく買った玩具(おもちゃ)も、すぐ飽きて、新しいものに買い換える。
買ったばかりの洋服も、友達の洋服の方がよく見えて、すぐ買い換えてしまう。
愛車も、山道を走ったら、パワーが足りないと感じて、大型車に買い換えてしまう。
(山道を走るのは、年に、数回しかないのに)。
こうした行動は、「持続不可能な社会」そのものです。
今のままならば、石油は、あと30年持たないでしょう。
そうすると、今から30年後の世界は、「石油のない生活」です。
自動車は使えないし、石油ストーブも使えない。
プラスチックだって、石油を使って作っています。
多くの日用品は、石油を原材料にして作られていると言えるでしょう。
こうして、今から30年後の世界は、かなり、不便で貧しい生活が予想できるでしょう。
しかし、貧しいと言っても、今から30年前の日本は、そういう状態に近かったのです。
当時の社会を調べてみると、自動車を所有しているのは、金持ちだけでした。
だから、今から30年後の世界は、今から30年前の日本に戻るだけです。
石油資源の枯渇は、昔から言われていることです。
しかし、日本が先進国の仲間入りしても、問題はなかったでしょう。
日本の人口は、1億人です。
1億人が石油を浪費しても、持続可能だったと言えるでしょう。
さて、将来、中国やインドが、先進国の仲間入りをすると、どうなるか。
中国の人口は13億人で、インドの人口は10億人です。
こうした23億の人たちが、欧米人のような生活を望む時、世界は、どうなるか。
「世界の破局」となります。
少なくとも、石油は、破局となります。
つまり、今から、30年もしないうちに、世界は、「石油のない生活」となります。
だからといって、自分たちだけ浪費型の贅沢をしておいて、
中国やインドには、質素な生活をしなさいとは言えないでしょう。
中国やインドに、そうしたことを言うには、
まず、自分たちが、質素な生活をしなければなりません。
こうしたことができなければ、
今から、30年もしないうちに、世界は、「石油のない生活」となるでしょう。
それとも、戦争や天変地異によって、持続可能な人口まで減らすのか。
先進国の国民が、今のような浪費型の生活を続けていると、
中国やインドが、そういう先進国の仲間入りをした時に、破綻します。
それは、今から30年もしないうちに起きるでしょう。
そもそも、昔の日本は、質素倹約が美徳とされました。
それが、いつの間にか、浪費型の生活となってしまいました。
「せっかく買った玩具(おもちゃ)も、すぐ飽きて、新しいものに買い換える。
買ったばかりの洋服も、友達の洋服の方がよく見えて、買い換えてしまう。
愛車も、山道を走ったら、パワーが足りないと感じて、大型車に買い換えてしまう。
(山道を走るのは、年に、数回しかないのに)。」
原油 crude oil 2004 2 12
今日(2004年2月12日)の日本経済新聞には、このような記事があります。
「昨年の原油需要 中国、日本を抜く」
「専門家によると、
『現在、中国の一人あたりの石油消費量は、日本の1割程度。
それが、世界平均である中南米並みになれば、
中国全体の消費量は、全欧州を上回る』と試算。
『一人あたり消費量が、現在の韓国の4割程度になった段階で、
全体の消費量が、アメリカを上回る』と分析する。」